被災地NGO恊働センターです。2013年の年末に当センターが事務局を担っているKOBE足湯隊の学生さんと共に能登半島を訪ねました。7年目を迎えた被災地、能登をレポートしていきたいと思います。今回も一緒に能登半島を訪ねた学生さんの感想を紹介します。
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足湯隊能登派遣に行って
橘 苑実さん(神戸大学2回生)
今回の能登派遣は、わたしにとって初めての足湯でした。能登行きが決まったのは、派遣に行きたい、と思い始めていた時と、たまたま予定していた人数に空きができた時が重なったためでした。そんな運とタイミングが重なって叶った初めての足湯でしたが、門前町の集会所において、来てくださった方々と学生とがお話をしているときのゆっくりした空気に、心がとても温かくなったのを覚えています。皆自分たちが若かったころや、この地域の生活について笑顔で話をしてくださり、学生たちはそんなおじいさん、おばあさんたちの周りに自然と集まっていきました。お話は足湯を行なう最中にも続き、同級生や先輩方の行なう足湯を見ながら、震災当時は、たとえひと時でも、地震の脅威に疲弊した人たちの心がこうして休まっていたのだと思いました。その集会所での足湯には何物にも代え難いゆったりとした空気が流れており、足湯を終えた方たちがお帰りになるときはとてもさびしく感じました。

能登半島地震についてのプレート
能登ではたくさんの出会いがあり、とても3日間の出来事とは思えないほどでした。一人ひとりの名前を覚えようとあだ名で呼んでくださっていたUさん、二日目に夕ご飯をご一緒したFさん、Mさん、初めて会った私たちをご自宅に招いてくださったTさん、穴水社会福祉協議会のみなさん、小牧壮年団の方々など、多くの方が、私たちを暖かく歓迎し、訪問をとても喜んでくださいました。そのたびに、震災当時の足湯隊の活動によって生まれ、続いてきたつながりの強さ、暖かさに驚かされました。ある方が、「(様々な事情で)今回の派遣に来ないという選択肢もあったはずだけど、(結果的に)来るという選択肢をとったことで、今の出会いがある」と仰っているのを聞いた時、私は「来る」ことができてよかったと心から思いました。

牡蠣をごちそうになりました!
しかし同時に、今回の能登派遣では、震災当時のお話から始まり、公営住宅での問題や過疎化についてなど、能登が抱える様々な問題についてたくさん耳にすることになりました。地震で生まれた問題に加え、地震をきっかけに表面化したまちの問題も、今なお能登半島にはたくさん残っているのだと思いました。
暖かい経験をたくさんさせていただいただけではなく、そのような震災後のまちが直面する重大な問題について、これからも継続的に考えていかなければならないということに改めて気づかされた3日間でした。

道中のお寺にて
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