2013年の年末に当センターが事務局を担っているKOBE足湯隊の学生さんと共に能登半島を訪ねました。7年目を迎えた被災地、能登をレポートしていきたいと思います。今回も一緒に能登半島を訪ねた学生さんの感想を紹介します。
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3日間の派遣を終えて
大坪恭子さん(神戸大学3回生)
3年になる私ですが今まで能登で足湯をしたことはありませんでした。過去の話を先輩から話に聞くことはあっても、最近は中々関われていなかったため現在能登がどのようになっているのかもわからず、今後の関わり方について考えあぐねていました。そこで今回の派遣を組んだわけですが、色々得たことは大きかったです。

夜の千枚田にて記念撮影

鹿磯での足湯

宿泊した江尻屋
印象的だったのは、現在輪島市の復興住宅に住んでいる人のお話でした。足湯隊が仮設時代にお世話になった2人にお話しを伺ったのですが、2人とも仮設時代の方が楽しかったとおっしゃっていました。今まで、仮設の不自由さについて聞くことはあっても、仮設が楽しいという声は聞いたことがなかったので驚きました。仮設に集まったのは地域がバラバラの住民だったにも関わらず、お互い声をかけあったり、集会所に集まったりして、本当に楽しかったし、それが懐かしいということでした。逆に、復興住宅に入ってからは、集会所もなく集まるきっかけがなかったり、新しい住民が入ってきてもあいさつがなかったりと、つきあいがめっきり減ったことのことです。そこの復興住宅は輪島市の空き地の関係で、他の集落からも離れている場所に建てられており、それも交流があまりないことと関係しているかもしれません。改めて、住宅と人の生活が密接に関わっていることを感じました。
また、今回は能登半島の道下集落で活動している金沢大学の足湯のサークルとも交流をもつことができました。もともと足湯隊が足湯を伝授した団体だったのですが、最近は関わりが持てておらず、12月初旬の全国足湯ボランティア交流会をきっかけに再びつながることができました。金沢市にて、お互いの活動の現状について話し、今後それぞれの活動に参加するのはどうか?という話もでました。数少ない足湯をする団体として今後も大切にしていきたいご縁です。
最後に、今回地域の問題としてひしひしと感じたのは「若者がいない」ことです。足湯をした時、社協の方にお話を聞いた時、色々な人が「若者が出て行ってしまって、今後町や集落がどうなっていくのだろうか…」とおっしゃっていました。海も山も自然豊かで、食べ物はおいしく、祭りも盛んで、本当にいい土地だと思うのですが、仕事や刺激を求めるとやはり都会への流失はまぬがれないようでした。小さい集落特有の確執もあるようで、ソトモノ、ワカモノの私たちにできることはあるのでは?と考えました。
今回の派遣は、どちらかというと能登半島との関わり終えることを見据えての派遣だったのですが、色々な可能性や問題点も見えてきました。色々な方から、こんなに年数が経っているのに能登に関わってくれていることが有りがたい、継続的に能登に来てくれるだけでいい、とも言われました。
「最後のひとりまで」を考えながら、この能登派遣についてこれからミーティングを重ねてまとめていきたいと思います。
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